よろしく哀愁

今日は上司の送別会だった。事務系の管理部と呼ばれる部署だけでひっそりと行われた。串カツのコースを予約した。予約をしてあったにもかかわらず、店員達の段取りの悪い事。最初のビール1つ出てくるのも10分ほど待たされた。人手が足りないほど客はそんなにいない。ビールを頼んだ大柄のメガネくん(気弱)をじっと見ていたがただ段取りが悪いだけだった。居酒屋でのバイト経験がある私はその要領の悪さにイライラした。「段取り悪いですねぇ〜」とHさんと話していた。Hさんは「ほんまやわっ!あのブタッ!」と斬り捨てた。大のビール好きのHさんを怒らせてはいけない。最近ダイエットのためにビールを我慢して焼酎を飲んでいるそうだがたくさん飲みすぎてしまうらしい。「焼酎に変えた意味はないんじゃないですか」なんて口が裂けても言えない。
2次会はカラオケだった。メンバーの中で私1人だけが20代。30代が3人、40代が2人、50代が2人。世代が違いすぎるはずなのに大盛り上がりだった。退職する上司を中心にバラエティに富んだ懐メロ歌合戦になっていた。私が小さい頃や生まれる前の曲がバンバン入っていた。
私の幼少の頃の18番と言えば松村和子の「帰ってこいよ(演歌)」だった。コタツの上が私のステージで、そこではリサイタルが頻繁に開催されていた。観客は1名限定で人が集まってくると、シャイな私は途中でステージを去る。八代亜紀も好きで幼稚園の連絡帳に「kuniちゃんは今日も元気に八代亜紀の歌を歌っていました」と書かれていた。
上司の「よろしく哀愁」、Hさんの「天城越え」、部長の「また逢う日まで」、男なのにおばちゃんみたいな性格の人の「もののけ姫」など個性が溢れていた。Hさんの色っぽい「天城越え」には男性陣がメロメロになっていた。部長の振り付のパフォーマンスはさすが宴会部長だけに大笑いだった。部長と主任の熟年デュエットも最高でセクハラ部長は主任の肩に手をまわし、目をつぶって歌うなど相変わらずいやらしかった。その光景をみんなで携帯のカメラで写し、ムービーまでとる人もいた。これは全社員にメールしないとなぁとみんなで話し合った。部長もまんざらでもなさそうだった。部長はいつも送別会では「帰ってこいよ」と「また逢う日まで」を歌うらしい。私が入れた「帰ってこいよ」は部長に持っていかれた。今日は笑い過ぎてほっぺが痛い。