盗んだバイクで走り出す

13日に28歳を迎えた。夜、友達と遊ぶ約束をしていて迎えを待っていた。待ち時間に親父とケンカした。「出て行け」とか言うからそのまま出て行った。真っ暗な外で友達を待っていた。おかんが家から慌てたように出てきた。なんだ?と思ったら「はい、これ。渡し忘れるところやったわ」って私宛に届いた郵便物を手渡そうとした。「今から遊びに行くのに何で今渡すねん。後でもええやろっ!」って妙にムカついて追い返した。別に親父とケンカしたから心配になって出てきたわけでもなく思い立ったら本能のままに行くサチコは「これ、渡しておかなきゃ」と思って追ってきただけのただの天然である。空気が読めないところがムカつくので追い返してやった。
やがて天然炸裂の友達が迎えに来てくれたがものすごい勢いで通りすぎて行こうとして止まった。「話に夢中になって止まるのを忘れてた」そうだ。とりあえず車に乗り込んだが雨が降っていないのにワイパーが動いている。「なぁ、雨降ってたん?」と聞くと「あぁ、動いとった!」そうだ。「ガソリン入れる」と言ってスタンドに立ち寄り「現金満タン」って店員に言っていた。「現金でレギュラー満タン」の間違いである。私も現金満タンにして欲しいものである。ご飯食べてカラオケ行ってそのままその友達んちに泊まって朝帰ってきた。こんな28の始まりだった。